多くの人が夢に見ているマイホームの購入。
中には20代でもマイホームの購入を考えている人もいるのではないでしょうか。
マイホームを購入するには頭金やそれ以外にも現金が必要となります。
今回は20代でマイホームを購入する時の頭金の相場や後悔しないためのポイントについて解説します。
マイホームの購入を考えている人は参考にしてみてください。
そもそも頭金とは
住宅を購入する時にはたいてい住宅ローンを利用しますが、ほとんどの場合自己資金でも一部を支払います。
この自己資金で支払う分を「頭金」といい、自己資金の中から現金で支払います。
住宅を購入する時には物件の価格だけでなく、手数料や税金など諸費用を支払う必要があり、こちらも現金で支払うのが一般的です。
頭金と手付金の違い
頭金と似たような意味で使われる「手付金」というものがあります。
手付金とは売買契約のときに購入代金の一部を支払うので頭金と性質が似ていますが、手付金は契約を確立させるためのお金です。
そのため契約後に契約をキャンセルする場合に買主は手付金を放棄しなければいけません。ちなみに手付金の相場は購入代金の5〜10%程度です。
20代でマイホームを購入する際の頭金相場
頭金は現金で支払うことが一般的ですが、一体いくら支払えばいいのでしょうか。
ここでは20代でマイホームを購入した人のデータを2020年の「フラット35利用者調査」から抜粋したので、物件別に確認しましょう。
頭金の平均金額 | 購入代金に対する頭金の割合 | |
注文住宅 | 617.7万円 | 17.4% |
土地付注文住宅 | 440.5万円 | 10.0% |
建売住宅 | 247.3万円 | 7.0% |
新築マンション | 758.1万円 | 16.6% |
中古戸建て | 198.7万円 | 8.0% |
中古マンション | 343.4万円 | 11.5% |
注文住宅と新築マンションは高い水準で頭金が支払われていますが、他の物件に関しては10%となっています。
20代でマイホームを購入する際に必要な頭金以外の費用
ここでは、20代でマイホームを建てる時に必要な頭金以外の費用を解説します。
20代でマイホームを建てるケースでは、頭金なしも珍しくありません。
しかし、注意すべき点は、「頭金なしで建てる=貯金なしで建てる」ではないということです。
住宅ローンに組み込めない諸費用もあり、各種条件は金融機関によって異なりますので、事前に確認する必要があります。
・マイホーム購入取得時にかかる費用
・ローンの契約時にかかる費用
・マイホームに関する税金
上記3点の頭金以外の諸費用について、詳しく解説していきます。
マイホーム購入取得時にかかる費用
マイホームを取得すると以下の費用がかかります。
・住宅請負契約時の契約金及び印紙税
・土地購入の手付及び仲介手数料
・登記手数料
・引越し費用及び家具家電購入費用
どんな家を、どんな条件で建てるか決まった後は、工事請負契約を結びます。
契約時に、契約金と印紙税の支払いをするのですが、契約金は現金での支払いが一般的です。金額は契約金の10%を想定しておきましょう。
同様に、土地を購入する場合、手付金や仲介手数料が発生します。
融資実行のタイミングは引き渡しの時となりますので、資金計画を立てる際に、きちんと相談しておきましょう。
その他にも、引越し費用や家具家電の購入費用も必要となります。
ローンの契約時にかかる費用
ローンを契約するときには以下の費用がかかります。
・融資手数料及びローン保証料
・火災・地震保険料
・印紙税及び登記費用
融資手数料やローン保証料は、金融機関により条件が異なりますので、きちんと確認しておきましょう。
通常、住宅ローンの融資実行は引き渡し時に行われます。
住宅の着手金や中間金を現金で支払うことは難しいので、つなぎ融資を受けることになります。
住宅ローンとは別に手数料と金利が発生するので、注意が必要です。
融資の分割実行をしてくれる金融機関もありますので、資金計画を立てる際にあわせて相談することをおすすめします。
マイホームに関する税金
マイホームを取得すると以下のような税金がかかってしまいます。
・不動産取得税
・固定資産税
・都市計画税
不動産取得税は、土地の取得や建物を建築したときにかかる税金であり、支払いは取得した翌年に一度だけ課税されます。
また、土地建物それぞれに軽減措置があり、要件を満たせば税額がゼロになるケースもありますので、きちんと確認しておきましょう。
固定資産税と都市計画税は、不動産を所有している限り、毎年課税されます。
都市計画税については、市街化区域の不動産だけに課税されますので、土地購入の際に、用途地域を確認しておきましょう。
20代でマイホームを購入するメリット
資金面で不利な20代ですが、若いうちにマイホームを建てるメリットはいくつかあります。
・メリット1.余裕を持ったローン返済が可能
・メリット2.どっしり落ち着いた暮らしができる
・メリット3.不動産を早めに手に入れられる
・メリット4.老後資金の準備に余裕が生まれる
順番に解説していきますので、自分のライフプランを考えながら見ていきましょう。
メリット1.余裕を持ったローン返済が可能
20代の早い時期に住宅ローンを組むことで、余裕を持って長い返済期間を設定できます。
例えば、25歳で支払いを開始した場合、60歳の時点でローン完済となり、老後の生活資金準備にもゆとりが持てるというものです。
また、年齢とともに収入が上がれば、繰り上げ返済も可能となります。繰り上げ返済を利用することで、家計に合った返済方法を選べることもメリットといえます。
メリット2.どっしり落ち着いた暮らしができる
20代でマイホームを建てることで、落ち着いた生活ができる点もメリットの一つです。
賃貸住宅とは違った、自分たちだけの家は良いものです。家族の存在はもちろんですが、持ち家の存在がより生活に張りを持たせます。
また、自分たちのライフスタイルに合った家は、子供を自由に遊ばせたり、夫婦それぞれの趣味を楽しんだりと、快適な空間を提供します。
メリット3.不動産を早めに手に入れられる
20代でマイホームを建てると、ローンの支払いさえ済めば、早い時期にマイホームを「不動産」として財産にできます。
賃貸住宅はいくら家賃を払っても、自分たちの家にはなりません。
家賃を払うくらいなら、住宅ローンを払う方がよいと考える人も多いのではないでしょうか。
一概に、家賃と住宅ローンの金額だけを比べてはいけませんが、自分のための家にお金をかけたいと思うのが心情です。
若いうちからローンの支払いを始めるほど、自分の家を早く手に入れることができるのです。
メリット4.老後資金の準備に余裕が生まれる
20代で住宅ローンを組むことで長期ローンを組んだとしても在職中に完済しやすくなります。
定年退職をする前にローンを完済できれば、老後の資金の準備に余裕が生まれるでしょう。
20代でマイホームを購入するデメリット
一方で、20代でマイホームを建てるデメリットも存在します。
人それぞれに考え方は違いますが、共通点の多いものを紹介します。
・デメリット1.将来的な不確定要素が多い
・デメリット2.借入可能額が想定より低いことも
・デメリット3.予算が少ないと家づくりの幅が狭まる
メリットと比べながら、自分たちのライフプランを考えていきましょう。
デメリット1.将来的な不確定要素が多い
20代でマイホームを建てる一番のデメリットは、将来の不確定要素が多い点です。
20代に限らず、30代以上にも共通する内容ではありますが、年代が若いほど影響が出やすいといえるでしょう。
転勤や離婚など予期せぬ事態が発生する可能性もありますし、生活や家族構成に対する考え方の変化もあるかもしれません。
それらを気にしすぎていては何もできませんが、仕事のことを含め、家族であらゆる話し合いをすることが大切です。
デメリット2.借入可能額が想定より低いことも
20代でマイホームを建てる際に、住宅ローンを支払うための借入可能額が想定より低いケースがあります。
住宅ローンの借入可能額は、基本的に年収で決まります。
年齢が低い内は、年収も少ないため、どうしても借入可能額も低くなってしまいます。
予算は重要なポイントですから、希望のマイホーム作りができない可能性もあります。
そんな時は、自分たちの理想の暮らしを想像してみましょう。
限られた条件の中で、優先順位を決めて選ぶことも、マイホーム作りの醍醐味といえるでしょう。
デメリット3.予算が少ないと家づくりの幅が狭まる
一概にはいえませんが、年齢的に年収がまだ少ないため頭金があまり用意できません。
そうすると購入できる物件が限られてしまいます。
家作りの幅を広げるには親からの支援を検討しましょう。二世帯住宅を視野に入れることで、親子相互に利点のある住まいを購入することができます。
20代でマイホームを購入する際に後悔しないためのポイント
20代でマイホームを建てる際に意識すべき点を解説していきます。
マイホームの購入は大きなお買い物となりますので、失敗や後悔はしたくないものです。
20代でマイホームを建てるメリット・デメリットのほかに、注意すべきポイントを2つ紹介します。
・返済計画は入念に立てる
・妥協点を決めておく
これらの点を意識して、理想の暮らしを考え、マイホーム作りの計画を進めていきましょう。
返済計画は入念に立てる
20代でマイホームを建てる際には、返済計画を入念に行いましょう。
毎月の支払いに苦労する状況では、本当に快適な暮らしとはいえません。
自分たちのライフプランをきちんと相談したうえで、返済計画を準備することが大切です。
世帯年収をもとに、住宅ローンを組む場合は注意する必要があります。
出産や育児で仕事を離れた時に、生活に無理のない支払い計画でなければいけません。
また、転勤や親の介護など、予期せぬ事態が起きる可能性も考えておきましょう。
20代でマイホームを建てる場合、将来の不確定要素に対する心構えを持つことが大切なのです。
妥協点を決めておく
20代でマイホームを建てる際には、妥協点を決めておきましょう。
マイホームを建てる際に、多くの方が予算に頭を悩まされます。
一般的に、20代の若い内は借入可能金額が低い傾向にありますので、より予算の制約を受けやすいといえます。
だからこそ、当初の希望通りにいかない場合を想定して、妥協できる点とできない点を決めておくことが大切です。
理想の暮らしを思い浮かべて、優先順位を決めていきましょう。
それでも判断に迷う場合は、専門家に相談することをおすすめします。
自分で考えることは大事ですが、多くの家作りに携わってきた専門家の意見は貴重なものです。
相談する中で、思いもよらない潜在的な要望が見つかることもあります。
20代のマイホーム購入は頭金なしでも可能か
マイホームを購入するときに頭金を支払わず、全ての費用を住宅ローンで支払うことは可能です。
実際に約1割ほどの人は頭金なしで購入しています。そのためほとんどの住宅ローンでは物件価格の100%まで借りられることが多いです。
しかし担保評価額の100%まで借りるということになるので、中古住宅などでは担保価値が減少していることもあり借りられない可能性があります。
さらに頭金無しで購入すると住宅ローンの返済は重くなってしまいます。
他にも以下のようなポイントがあります。
・頭金なしだと借入金利が高くなる場合がある
・頭金なしと頭金2割で支払う場合の利息の違い
・頭金を貯めるのと頭金なしですぐ購入するのはどちらが最適か
・「頭金なし」=「現金なし」ではないことを理解しておく
ポイントを押さえて頭金を支払うか検討しましょう。
頭金なしだと借入金利が高くなる場合がある
できれば頭金なしで物件を購入したいと考えてしまうかも知れませんが、フラット35では頭金1割以上と1割未満で金利に差が出るように決められています。
その差は0.26%で、頭金を1割以上支払うと金利が1.40%で頭金無しだと1.66%に上がります。
0.26%と聞くと小さく感じてしまいますが、4,000万円を借り入れて35年で支払うとすると頭金なしの場合では総支払い額が約427万円増えてしまいます。
そのため同じ4,000万円を借り入れるにしても総支払い額が大きく変わります。
頭金なしと頭金2割で支払う場合の利息の違い
頭金の比率によって返済額は以下のように変化します。
頭金 | 借入額 | 毎月返済額 | 金利 | 総支払い額 | |
頭金なし | 0円 | 4,000万円 | 125,632円 | 1.66% | 52,765,657円 |
頭金2割 | 800万円 | 3,200万円 | 96,419円 | 1.4% | 40,495,764円 |
頭金を2割支払うと借入額も少なくなり、金利も低いので総支払い額は約1,200万円も下がります。
上の表で分かるとおり、明らかに返済する金額が変化するので、なるべく頭金は支払ったほうがいいでしょう。
頭金を貯めるのと頭金なしですぐ購入するのはどちらが最適か
頭金が少ないと金利が高くなってしまったり、毎月の負担が大きいと感じるでしょう。
そこで頭金を貯めてから購入しようと考える人もいると思います。
しかし現在は超低金利で住宅ローンを借りられますが、頭金を貯めているうちに金利が上がってしまうリスクもあります。
頭金を貯めているときに金利が上がってしまうと以下の表のようになります。
頭金なし | 頭金1割で金利1%アップ | |
借入額 | 4,000万円 | 3,600万円 |
金利 | 1.66% | 2.4% |
毎月返済額 | 125,632円 | 126,776円 |
総支払い額 | 52,765,657円 | 53,246,122円 |
このように金利が上がってしまうと総支払い額がかなり増えてしまうので、頭金を貯めてから買うより頭金なしでいきなり購入したほうが負担は軽くなります。
また、頭金を貯めている間に年齢を重ねることで完済する年齢も遅くなってしまい、年齢によっては退職後にもローンの支払いが残る可能性が高まる点も考える必要があります。
「頭金なし」=「現金なし」ではないことを理解しておく
頭金なしでも住宅を買うことは十分可能です。しかし頭金なしだからといって現金が必要ではないということではありません。
冒頭でも説明したとおり不動産を購入するには「手付金」が必要です。
手付金は物件価格の5〜10%ほど必要で、住宅ローンを借りる前に用意します。
これは頭金なしの場合でも同様です。ただローンが実行されたときには手付金の相当額が売主から戻ってきます。
さらに手付金以外でも諸費用を現金で支払う必要があります。
金額は取引によって異なりますが、一般的には注文住宅では価格の10%ほど、新築戸建てや中古住宅は価格の6〜8%ほど、新築マンションの場合は3〜5%ほど支払います。
諸費用を住宅ローンに含めて借りられるローンもありますが、返済金額が膨らむため注意が必要です。
そのため結局頭金なしで物件を購入するとしても「物件価格の8〜20%ほどの現金」は必要です。
20代でマイホームを購入する際によくある質問
最後に20代でマイホームの購入を検討しているかたからよくある質問についてお答えします。以下の質問を参考にマイホームの購入を検討してみてください。
・20代でマイホームを購入する人の平均年収はいくら?
・20代独身で家を買うのはあり?
・マイホーム購入時に貯金はいくら残すと安心できる?
それぞれ詳しく解説します。
20代でマイホームを購入する人の平均年収はいくら?
20代でマイホームを購入する人の平均年収は以下の表の通りです。
あくまで本人の年収となり世帯年収ではありませんが、意外と年収は低い中でマイホームを購入しています。
マイホームを購入する平均年収 | |
東京都 | 395.5万円 |
大阪府 | 349万円 |
20代独身で家を買うのはあり?
20代独身で家を購入するのは選択肢としてはありでしょう。若くして不動産を購入すると住宅ローンを早めに完済することができ、老後の資金を早めに準備することができます。
しかし不動産を購入してしまうと転居しにくいというデメリットが生まれてしまいます。
独身の場合これから結婚をしたり、子どもが生まれたりしたら購入した不動産が手狭になる可能性があります。
デメリットを理解した上でマイホームを購入しましょう。
マイホーム購入時に貯金はいくら残すと安心できる?
マイホームを購入すると手付金や頭金など支払う項目が多くあります。
そのため、不動産の購入が終わったあとに結局貯蓄がいくらあればいいか分からないでしょう。
残しておきたい目安としては「手取り月収の3〜4ヶ月分」で、この金額があれば急な事態にも対応できます。
まとめ:20代でマイホームを購入する際は無理のない資金計画を
20代でマイホームを購入するときに一番重要となるのが「返済計画」です。
若くて年収があまり高くないときに高額なローンを組んでしまうと毎月の負担が重く、生活が圧迫される可能性があります。
生活が圧迫されているとせっかくのマイホームで落ち着いて生活できないことはおろか、最悪の場合売却しなければいけなくなってしまいます。
資金には余裕を持ってマイホームを購入しましょう。
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