家を購入する際、注文住宅と建売住宅のどちらを選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。どちらを選ぶかによって、数年後、十年後の生活が変わってきます。しかし、注文住宅と建売住宅があることは知っていても、その詳しい特徴についてはわからない方も多いはずです。
今回の記事では、これから住宅を手に入れたい方に向けて、注文住宅と建売住宅の特徴を解説します。また、両者が持つメリット・デメリットを詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。最終的な判断はこれらの点を把握してから決めていくと良いでしょう。
注文住宅とは？注文住宅のメリットとは？
まずは注文住宅がどのようなものなのかを把握しましょう。結論から先にいうと、注文住宅とは、間取りなどを一から自由に決めることのできる住宅を指します。そのため、こだわりをとことん取り入れて家を作りたいと考えている方に向いているスタイルといえるでしょう。
注文住宅はどのような家？
注文住宅は設計の自由度が高い物件です。建築条件のある土地であっても建築条件のない土地であっても契約でき、そこに建物を建築できます。土地を購入して建物を建てていくのが注文住宅の特徴となります。
注文住宅のメリットは？
注文住宅にはメリットが多いです。ここでは注文住宅のメリットを紹介します。
▼自由に設計できる
注文住宅の一番の魅力は自由に設計できる点にあります。これから長く住むことになる家はこだわりを詰め込みたいという方も多いはずです。注文住宅であれば、それらこだわりをとことん詰め込んだ理想の家を作れるわけです。
設備や建材も自分で選べるため、それぞれのライフスタイルに合わせた家を作れるのは大きな魅力といえるでしょう。単純に外地からすべてを作りたいという方には注文住宅がおすすめです。
▼好きな間取りにできる
注文住宅は間取りも自由です。人によってライフスタイルが異なるため、要望もそれぞれ異なるはず。たとえば「窓は大きい方がいい」「コンセントは多い方がいい」など、住むことを実際に想定すると、無数の要望が出てきます。それを叶えられるのは注文住宅の強みです。
また、今後、家族が増える可能性がある方や老後も住む可能性がある方は、将来を見越して間取りを考えることも必要です。その点も注文住宅であれば、叶えられる要望が多くなるでしょう。
▼デザインを好みに合わせられる
注文住宅はデザインも好みに合わせられます。毎日、仕事を終えて疲れて帰ってくる家。家のデザインが自分の好みであるだけで疲れが癒されるでしょうし、長年住む中での愛着も変わってきます。「おしゃれな外装にしたい」「美しい内装にしたい」という要望も叶えられます。
好みをデザインに組み込めるというのは大きな利点です。特にデザインにこだわりたい方は注文住宅がおすすめです。
▼住宅ローンを組みやすい
注文住宅は住宅ローンも組みやすいです。家を取得する場合は住宅ローンを組む方がほとんどなので、審査に通りやすいだけでも安心です。住宅ローンを組むのが前提という方は、注文住宅を選ぶというのが良いかもしれません。
注文住宅のデメリット
注文住宅にはデメリットもあります。ここでは注文住宅のデメリットを解説します。
▼コストがかさむことがある
注文住宅はこだわりを詰め込む分、コストがかさんでしまうこともあります。当然ながら「あれもこれも」と欲しいものを取り入れていると予算オーバーとなる可能性もあるでしょう。予算が増えるということは住宅ローンなどの経済的負担が増えることを意味するので、慎重な計画が必要です。
設備や建材にまでこだわり始めると、数百万円数千万円単位でコストが膨らんでいきます。良い家に住みたいという気持ちはわかりますが、自分たちが用意できる予算と相談しながら決めていく必要があるでしょう。
▼価格がわかりづらい
注文住宅は土地を購入して建物を建築していくのが主流です。しかし、自由に選べる分、価格がわかりづらいという弱みがあります。やはりどうしても価格というのは気になるもので、正確に把握しておかないと計画が頓挫することもあります。
稀に自分たちの収支のバランスを考えずに決めてしまい、価格がわからないまま決定してしまう人もいるくらいです。ただ、価格に関しては細部まで知っておくことが必要なので、注文住宅を選ぶ場合は注意しましょう。
▼イメージするのが難しい
注文住宅は完成してから引き渡しとなるため、何もない状態でイメージを膨らませることが必要となってきます。近年はよりイメージしやすいよう3Dモデルを作成してくれたり、VRで体験させてくれたりします。そのため、注文住宅を選ぶ場合はそれらを活用しながら選ぶようにしましょう。
ただ、注文住宅は建築過程を見られるという点では安心です。完成してから引き渡しまで絶対に見られないということはなく、徐々に作られていく家を見られます。そういう意味では、逆に建築過程を見られるというのが安心につながるでしょう。
建売住宅とは？建売住宅のメリットとは？
次に建売住宅がどのようなものなのかも把握しておくことが重要です。こちらも結論を先に伝えてしまえば、建売住宅とは建物と土地がセットになっている住宅を意味します。そのため、あらかじめ決められているものを選んで家を持ちたいと考えている方に向いているスタイルです。
建売住宅はどのような家？
建売住宅は注文住宅と比べると設計の自由度が低い物件となります。あらかじめ決められた建物が建てられる予定の土地を買い、そこに居住することになります。建物と土地がセットになって販売されているのが建売住宅の特徴です。
建売住宅のメリットは？
建売住宅にはメリットも多々あります。ここでは建売住宅のメリットを紹介します。
▼コストを抑えられる
建売住宅は比較的コストを抑えられるのが魅力です。選択肢が少ない分、どうしても相場よりも安くなります。そのため、予算が限られているという方にとっては、魅力の大きい家となるでしょう。
特に、建売住宅は建物も土地もあらかじめ決められているため、建築業者や不動産業者も安く提供できるというわけです。もし、少しでも予算を抑えたいという方であれば、建売住宅を選ぶ価値は十分にあるでしょう。
▼価格が一目でわかる
建売住宅は前述の通り建物と土地がセットになっており、すべてあらかじめ決められています。そのため、価格も一目瞭然です。どれくらいにまで膨らむのかわからないということがない分、強気で選ぶこともできます。
価格がわからないと今後の人生設計も変わってくるため、先に価格を把握しておきたいというときには建売住宅がおすすめです。常に情報を集められるという方であれば、建売住宅の方が向いている場合も多いです。
▼イメージを実物で確認できる
建売住宅は実物で確認できるというのも大きな強みです。モデルハウスなどはもちろん、引き渡し予定の完成した家を直接見られるため、イメージも付きやすいです。特に、家は住み始めてからギャップを感じる人もいるので、あらかじめイメージを膨らませられるのは大きな利点となります。
しかし、隠れた建築過程が見られないのが欠点となります。これに関してはより細部まで見て決めたい方には向いていないかもしれません。
建売住宅のデメリット
建売住宅はデメリットももちろんあります。ここでは建売住宅のデメリットを解説します。
▼自由に設計できない
建売住宅はやはり自由に設計できないのが残念なところです。もともと建築業者や不動産業者が決めた家を購入することになるため、自由に設計したい方には不向きです。
なお、設備や建材も決められていることが多いため、何かしらこだわりがあるという方にとっては不自由さを感じることになるでしょう。特に今後のライフスタイルが変化しそうな方ほど、慎重に決めていく必要があります。
▼間取りが変更できない
建売住宅は原則として間取りの変更ができません。建売住宅はあらかじめ決められた設計によって家が作られるため、間取りの変更を申し出ても聞き入れてもらえないことが多いです。
そういう意味では「バリアフリーにしたい」「省エネにしたい」というような要望がある方にとっては選びづらい部分もあるかもしれません。理想の住環境を作るという意味では、少し物足りないと感じることもあるでしょう。
▼デザインを妥協しなくてはならない
建売住宅はデザインも決められています。そのため、あまり好きになれないデザインのものもあるかもしれません。単に好みでなければ買わないという手段もありますが、そうなるとまたほかの家を探さなくてはならないという手間もあります。
実際にデザインにとことんこだわりたいという方にとっては、建売住宅だと不十分なこともあるでしょう。そこは理想とする家がすでにある方にとってはなかなか厳しいものもあるかもしれません。
▼住宅ローンが組みにくい
建売住宅は住宅ローンの手続きがややこしい場合もあります。多くの方は土地を購入して建物を建築し、それに対して住宅ローンを組みます。しかし、建売住宅の場合はもともと建物と土地がセットになっているため、手続きも少し複雑です。
これらに関しては素人の判断では危険なので、実際に金融機関に相談してみるのがおすすめです。もしくはこの手の家に詳しい専門家にアドバイスを仰ぐというのも良いかもしれません。
まとめ
夢のマイホームとはいっても注文住宅にするのか建売住宅にするのかで、大きく違ってくる場合があります。そのため、これから物件を取得しようと考えている方は注文住宅と建売住宅のメリット・デメリットをそれぞれ把握しておきましょう。
そうすることでより理想のマイホームの実現が可能です。注文住宅には注文住宅の良さ、建売住宅には建売住宅の良さがあります。こればかりは自分でとことん向き合って決めていくのがおすすめです。
