戸建てとマンションはどちらが得?維持費から見る戸建てとマンションの比較

住宅の購入を検討する際、戸建てかマンションかという選択に迷ってしまう方も多いはずです。もちろん、戸建てにもマンションにもそれぞれメリット・デメリットがあり、オーナーとなる方のライフスタイルによって向き不向きが変わります。しかし、それ以前に考えておきたいのが維持費です。維持費は生涯で考えると数百万円~数千万円単位となります。今回はこれから家を建築する方はもちろん、集合住宅に住もうと考えている方に向けてそれぞれの維持費を簡単に解説します。維持費を知ることで節約できるところも見えてきますし、将来的にどれくらいのお金が必要なのかも見えてくるはずです。この記事を読めば戸建て・マンションそれぞれの維持費はもちろん、メリット・デメリットについても把握可能です。ぜひ、契約の前に読んで賢く選択しましょう。

目次

それぞれで発生する維持費の項目

戸建てとマンションでは、必要となる維持費が異なります。しかし、共通してそれぞれにかかる費用というものもあります。そのため、まずは両方にかかるお金について、以下を参考にしてみましょう。特に共通する費用とそれぞれにかかる費用があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

▼取得時にかかる項目

  1. 印紙代
  2. 登記費用
  3. 担保設定費用
  4. 保険料
  5. 保証料
  6. 融資手数料

これらの費用に関しては、維持費ではなくその都度支払うものですが、知っておいて損はありません。上記の項目は戸建てでもマンションでも取得時にかかる費用のため、あらかじめ用意できるよう計画を進めておきましょう。なお、これら取得時にかかる項目に関しては、依頼する建築会社や不動産会社によって異なります。そのため、詳細は契約する際に必ず確認しておきましょう。特に、火災保険料などは戸建てで約40万円、マンションで約10万円必要となることもあります。そこは住宅ローンの返済計画とは別途で考えておきましょう。

また、取得時の項目においては戸建てとマンションでそれぞれ必要となる予算が異なる場合もあります。たとえば、戸建ては修繕積立基金がかからないのですが、マンションは修繕積立基金が約30万円かかります。逆に、戸建ては水道加入負担金が約30万円かかる場合があるのに対し、マンションでは水道加入負担金がかかりません。そのほか、仮に住宅ローンを組む場合は、戸建てだとつなぎ融資が必要となることもあるでしょう。マンションはつなぎ融資が必要ないため、それらの点は注意しましょう。

▼取得後にかかる項目

  1. 固定資産税
  2. 都市計画税
  3. 不動産取得税

これらの費用に関してはその都度かかる土地計画税や不動産取得税などがあります。しかし、固定資産税に関しては毎年支払う必要があるため、維持費となるでしょう。当然ながらこれらの税金は戸建てでもマンションでもかかる可能性が高いため、入念な計画を立てておくことが重要です。ちなみに、これら取得後にかかる項目に関しても、物件によっての価値や規模によって異なります。特に税金に関する計算は税理士などの専門家に任せるのがおすすめです。

また、取得後は数年数十年と生活する中で、補修などが必要となる場合もあります。戸建てだと自分ですべて補修費用を賄わなくてはならないため、マンションに比べて負担も大きくなるでしょう。逆にマンションであっても発生する維持費というのがあるため、物件の取得後は特に入念な試算が必要です。

戸建ての維持費の項目と目安

戸建ての場合、以下のような維持費がかかります。これらの維持費を考えずに物件を取得すると後々、経済的負担が大きくなるかもしれません。まずは戸建てにはどのような維持費がかかるのかを確認し、入念な計画を立ててください。なお、物件によって大きく条件が異なってしまうため、ここでは3,000万円の戸建てに30年間住むケースを想定します。

  1. 固定資産税などの税金:240万円ほど
  2. 火災保険や団体信用生命保険などの保険料:300~600万円ほど
  3. 補修などにかかる維持費:690万円ほど
  4. 工事などにかかる改修費:70~480万円ほど

ざっとまとめただけでも上記のような維持費がかかります。つまり、戸建てで数十年以上生活する予定の方は、最低でも数千万円ほどの維持費が必要となると覚えておきましょう。特に、戸建てはすべて自分たちでメンテナンスしなくてはならないため、工事にかかる諸費用が上乗せされます。それらの維持費も考えておかなければなりません。

マンションの維持費の項目と目安

マンションの場合、以下のような維持費がかかります。どうしても維持費の計算は大変ということで考えずに契約してしまう人もいますが、何も考えずに取得すると経済的負担も大きくなってしまいます。そのため、マンションであってもどのような維持費がかかるのか、きちんと把握することが重要です。ちなみに、物件ごとに条件が異なるため、ここでは同じく3,000万円のマンションに30年間住むケースを想定します。

  1. 固定資産税などの税金:360万円ほど
  2. 火災保険や団体信用生命保険などの保険料:300~600万円ほど
  3. 補修などにかかる維持費:940万円ほど
  4. 駐車場にかかる維持費:720万円ほど

簡単にまとめると上記のような維持費が必要です。マンションで数十年以上生活しようと思っている方も、最低で数千万円ほどの維持費を考えておく必要があるでしょう。特に、集合住宅は駐車場を借りる方も多く、その場合は約600~800万円ほどが上乗せされます。これらの生活にかかる維持費も忘れてはなりません。

戸建てとマンションの維持費を比較

戸建てとマンションの維持費に関しては、すべて緻密に計算することはできません。なぜなら物件によってかかる諸費用がまったく異なるためです。ただし、戸建てなのかマンションなのかによって、大きく維持費も変わってきます。前述した通り、戸建ては約690万円の維持費がかかり、マンションでは約940万円の維持がかかります。これらをそれぞれ計算すると200~300万円の違いが出てくるわけです。両者の維持費を比較すると「戸建ての方がお得かも」と思うかもしれませんが、リセールバリューなどを考えると条件も異なります。たとえば、戸建ては20~25年すると物件の価値も0円になってしまうことがほとんどですが、マンションであれば都会の中心部にあることも多く、価値が低下しにくいです。つまり、売却まで視野に入れる場合は必ずしも戸建てがお得となるわけではないと理解しておきましょう。そこは維持費の高いマンションであっても、売却する際にリセールバリューがきちんと確保できる場合はむしろマンションの方がお得となる場合もあります。

だからこそ、両者の維持費はもちろんその後のリセールバリューも考えて選ぶことをおすすめします。

戸建てとマンションのそれぞれのメリット・デメリットは?

ここまで維持費についてご紹介してきたわけですが、最終的に戸建とマンションのどちらを選ぶかはオーナーの方次第です。単純に維持費だけ見れば戸建ての方がお得ですが、マンションにしかない魅力というのもあります。また、単純に維持費だけでは測れないため、ここからは維持費以外のメリット・デメリットをまとめます。

戸建てのメリット

やはり戸建ては騒音や振動などのトラブルが少ないのも魅力です。戸建ては物件自体が独立しているため、自分自身が出す騒音や振動は周囲に広まりにくいですし、逆に周囲からの騒音や振動からも守ってくれます。そういう意味では快適な生活を送るために戸建てを選ぶというのも十分に魅力があるでしょう。

そのほか、近所の方と良好な関係を築ければ、快適な生活を送れます。特に、地域によっては助け合いながら生活できるため、いざというときも何かと頼りになるかもしれません。

戸建てのデメリット

一方で戸建ては近所との関係が面倒に感じる方も多いです。どうしても近所の人付き合いに疲れてしまうこともあるでしょう。そこに数年数十年と住むわけなので、周辺の人々との関係に左右されることもあります。また、20~25年ほどすると物件自体の価値が低下してしまう可能性もあるため、資産として残らない点は注意が必要です。そのほか、戸建ての場合はどうしてもオートロックやカメラなどを設置することも少ないため、セキュリティに不安が残ります。特に、小さなお子様やお年寄りのいる家庭では、そういった防犯についてはきちんと考えておく必要があります。

マンションのメリット

マンションはすべて管理会社が点検を行ってくれるというのが大きな魅力です。共同部分を含め、設備の管理はもちろん清掃などもやってくれます。何か住民同士のトラブルがあっても、原則は管理会社を通して解決することも可能です。また、オートロックやカメラなどもあり、セキュリティなど防犯面も安心です。そのほか、マンションは街の中心部に作られることも多いため、物件としての価値の低下も抑えることができます。このため、マンションはリセールバリューも高く、後々に手放すことになったとしても損をする可能性が低いです。そういう意味では、駐車場代などを支払い続けることになったとしても資産価値は十分にあるといえるでしょう。

マンションのデメリット

やはりマンションはどうしても隣人トラブルがつきもので、騒音や振動などのリスクを常に抱えています。実際に物理的な距離が近いからこそ、隣人に気を遣わなくてはならない点もストレスとなるでしょう。

そのほか、マンションであるにも関わらず、まったく人間関係が構築できないこともあります。人によっては「隣に誰が住んでいるのかもわからない」という方も多いでしょう。そうなると問題を抱えた隣人だった場合に大きなリスクとなる可能性もあります。これらはどの物件を選ぶかによっても状況が大きく変わってきます。

まとめ

戸建てもマンションも取得した場合はお金がかかるのが普通です。また、取得時だけではなく取得後も定期的に支払わなくてはならないお金もあります。それらの維持費に関しては戸建てとマンションで大きく変わるため、事前によく検討しましょう。

また、単に維持費だけではなく戸建てとマンションではメリット・デメリットも異なるため、より自分自身のライフスタイルに合っている物件を見つけることが重要です。

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